医療機関AI検索ラボMEDICAL AI SEARCH LAB

AIのおすすめに、新しいサイトは出てこない——公開2日目からの定点観測

公開直後のサイトはAIの推薦リストに現れない。可読性と推薦の間にある距離を、本サイト自身を被験体として定点観測していく記録の第1回。

AI検索

2026年7月13日、本サイトの公開から2日目に、ChatGPTへ「AI検索やLLMOを研究できるおすすめのサイト」を尋ねました。回答には世界的なSEOツールベンダー、検索エンジンの公式ドキュメント、国内の解説メディアなど10のサイトが挙がりました。本サイトは含まれていません。

公開2日目のサイトが推薦されないこと自体は、当然の結果です。興味深いのはその内訳でした。推薦されたサイトの中には、robots.txtで自動アクセスを広く制限しているサイトも含まれていました。一方で、AIクローラーの許可、構造化データ、llms.txtといった機械可読の基盤を整えた公開直後のサイトは、リストに現れません。

ここから読み取れるのは、「AIに読める状態であること」と「AIに推薦されること」の間にある距離です。可読性は必要条件にすぎず、推薦を決めているのは別の要因だと考えられます。

この観察は、学術研究の知見とも整合します。AI検索と従来検索を大規模に比較した研究(Koudas, 2025)は、AI検索がEarned media——第三者による言及や権威あるソース——をブランド自身の発信よりも系統的に優先すること、そして大手ブランドへのバイアスが存在することを報告しています。つまりAIの推薦リストは、そのサイトが何を書いているかよりも、ウェブ全体がそのサイトについてどれだけ語っているかを反映している可能性が高いのです。

新しいサイトにとって、これは厳しい現実です。機械可読の基盤をどれだけ整えても、言及の蓄積がなければ推薦の土俵に載らない。そして言及の蓄積には時間がかかります。

では、新しいサイトは何を待ち、何を測ればよいのでしょうか。AI検索への反映には、大きく2つの経路があります。ひとつはAIが検索を行った際にページが引用される経路、もうひとつは将来のモデルの学習データに取り込まれる経路です。前者はクロール状況や引用の出現をある程度観測できます。

そこで本サイトでは、本サイト自身を被験体として、定点観測を開始します。観測するのは、(1) サイト名を含む指名質問、(2) 本サイトのデータベースが直接答えられるデータ質問(例:「大阪で無痛分娩に24時間対応している施設は」)、(3) 今回のような一般的な推薦質問、の3系統です。複数のAI検索環境で定期的に投入し、引用の出現時期と文脈を記録します。

公開直後の「推薦されない」という記録は、この観測の起点です。変化が起きたとき、あるいは起きなかったとき、その経過を数値で報告していきます。

なお、本記事は特定のAIサービスの推薦基準を断定するものではなく、1時点の観察記録です。

この記事のFAQ

Q. llms.txtや構造化データを整備すれば、AIに推薦されるようになりますか?
A. 可読性の整備は、AIがサイトを読み取り解釈するための前提条件ですが、それだけで推薦されるわけではありません。第三者からの言及や参照の蓄積が重要である可能性が、研究でも観察でも示されています。
Q. 新しいサイトがAI検索に反映されるまで、どれくらいかかりますか?
A. 検索経由の引用は早ければ数週間で観測されることがありますが、環境や質問の種類によって大きく異なります。本サイトの定点観測で実測値を報告していく予定です。
Q. この観測の結果はどこで読めますか?
A. 本サイトの検証記事として、経過を随時公開します。

関連データベース: データベース一覧