この記事で分かること
- 同一質問150回の実測で、Web検索を使う頻度はAIごとに大きく違ったこと(30回中: Gemini 25回・ChatGPT 12回・Claude 0回)
- AIごとに使う検索基盤が異なり、Googleだけを見ていても足りないこと
- 検索したAIの引用は一次情報が中心で、公式サイトの情報整備がそのまま効くこと
結論
AIがクリニックを知る経路は、学習時の記憶と、その場のWeb検索の二本立てである。本サイトの150回の実測では、検索の使用頻度はAIごとに大きく分かれた(30回中: Gemini 25回・ChatGPT 12回・Claude 0回)。検索の裏側の基盤も、ChatGPTとPerplexityは自前、GeminiはGoogle、CopilotはBing、ClaudeはBrave Searchと分かれており、特定の検索エンジンだけを見た対策では届かない。引用の中心は公式サイトなどの一次情報であり(まとめ型ページの引用は延べ120件中8件)、自院が管理する情報を機械にも読める形で整えることが、すべての基盤に共通する土台になる。
患者がAIに「近くで良い皮膚科は」と相談したとき、AIは何を読んで答えているのでしょうか。
まず、AIには二つの答え方があります。学習時に取り込んだ「記憶」だけで答えるか、その場でWeb検索を行って読んだページから答えるか。どちらになるかはAIによって大きく違います。本サイトが同一の質問を各AIに30回ずつ、計150回投げた実測では、Web検索を使った回数はGeminiが30回中25回、ChatGPT(API経由)が30回中12回、Claudeは30回中0回でした。同じ質問でも、ほぼ毎回検索するAIと、記憶だけで答えるAIに分かれたのです。検索しないAIには、今日サイトを更新しても伝わりません。検索するAIには、回答が組み立てられるその瞬間にサイトが読まれます。
次に、検索するAIが「どの検索エンジンを使うか」。ここは意外に知られていません。各社の公表情報を整理すると——
| AI | 使う検索基盤 |
|---|---|
| ChatGPT | 自前の検索基盤(OAI-SearchBotが収集) |
| Gemini・AI Overviews | Google検索 |
| Microsoft Copilot | Bing |
| Claude | Brave Search |
| Perplexity | 自前の索引(PerplexityBotが収集) |
各社公表・報道に基づく(2026年8月時点)
つまり「Googleに載っていれば大丈夫」という時代は終わっています。GoogleにはGeminiが、BingにはCopilotが、そしてChatGPTとPerplexityは自社のクローラーが直接あなたのサイトを読みに来ます。当サイトの全国調査(美容関連7,643施設)で確認した「主要AIクローラー12種」は、まさにこの各社の収集プログラムのことで、robots.txtでこれらを遮断している施設は、そのAIの検索から見えなくなります(全体の2.3%が一部または全部を遮断していました)。
では検索したAIは何を引用するのか。本サイトの実測では、引用元の中心は公式サイトや公的情報源といった一次情報でした。150回の試行で読まれたページ延べ120件のうち、いわゆる「まとめ・解説」型のFAQページはわずか8件。AIはまとめサイトより大元を読みに行く——公式サイトの情報整備が、そのまま効くということです。同時に、AIは複数の情報源(地図・ポータル・口コミ)を突き合わせて候補を組み立てるため、場所によって診療時間や施術名が食い違っていれば、AIの理解も混ざります。
まとめると、経路は「記憶」と「その場の検索」の二本立てで、検索の裏側には複数の検索基盤があり、読まれる中心は一次情報です。次回は、この情報整備のうち「実はもうやっている部分」の話をします。SEOに投資してきた医療機関ほど、AI対応の土台は済んでいるからです。
連載: 医療機関のためのAI検索ガイド(第3回)
出典 / 参考資料
- OpenAI bots(OAI-SearchBot) — OpenAI / 2026-08ChatGPTの検索機能に表示するための収集を行うクローラーとして公表
- AI features and your website — Google / 2026-08AI OverviewsなどのAI機能はSearchに組み込まれ、Googlebotのrobots.txt指示が制御点であると公表
- Data, privacy, and security for web search in Microsoft Copilot and Microsoft Copilot Chat — Microsoft / 2026-08Copilotがウェブ接地にBing検索サービスを利用することを公表
- Subprocessors(Trust Center) — Anthropic / 2026-08Web Search 用途の副処理者として Brave Search を掲載
- PerplexityBot(Bots documentation) — Perplexity / 2026-08Perplexityの検索結果に掲載・リンクするための収集を行うクローラーとして公表