医療機関AI検索ラボMEDICAL AI SEARCH LAB

大阪の美容関連クリニック400施設は、AIに読める状態か——外形調査

大阪府で美容外科・美容皮膚科・形成外科・皮膚科を標榜する400施設の機械可読性を外形調査した。AIクローラー全許可89%、llms.txt設置10%、構造化データ52%。医療機関側の「備え」の現在地。

LLMO

この記事で分かること

  1. 大阪の美容関連クリニック400施設の機械可読性の実態
  2. 解説する側67サイトとの比較
  3. 自院サイトの点検の起点2点

結論

AIクローラー全許可は89%、llms.txt設置は10%、構造化データは52%。大多数の医療機関は「AIを拒否してはいないが、積極的に備えてもいない」状態にある。外形の整備は難しくなく、整えれば前提条件では先頭集団に入る。

AI検索の候補として扱われるための前提条件は、AIにサイトが読める状態になっていることです。では、医療機関側の実態はどうなっているのか。解説する側67サイトを調べた前回に続き、今回は医療機関側——大阪府の美容関連クリニック400施設を外形調査しました。

設計です。厚生労働省の医療情報ネットに由来する大阪府の医科診療所のうち、美容外科・美容皮膚科・形成外科・皮膚科のいずれかを標榜する1,171施設を母集団とし、ウェブサイトのURLが確認できた施設から機械的な規則で400施設を抽出しました(恣意的な選定はしていません)。各施設サイトに対し、robots.txtにおける主要AIクローラー12種の許可状況、llms.txtの設置、sitemap.xml、構造化データ(JSON-LD)、meta記述、httpsの外形項目を機械判定しました(測定日: 2026年7月13日)。

結果です。主要AIクローラー12種をすべて許可しているのは400施設中356施設(89%)。一方で、GPTBotやClaudeBotなどを一括でブロックしている施設が8件ありました。llms.txtを設置しているのは39施設(10%)。構造化データ(JSON-LD)の出力は209施設(52%)。sitemap.xmlは321施設(80%)。判定不能率は8.9%です(JavaScriptで描画されるサイトやプラットフォーム型サイトでは初期HTMLに基づく判定が実態とずれるため、判定不能として区別しています)。

前回調査したLLMO・GEO解説サイト67件の分布(AIクローラー全許可93%・llms.txt 27%・構造化データ70%)と並べると、構図が見えます。AIクローラーの許可率は解説側と医療機関側でほとんど差がありません(93%対89%)。これは多くのサイトがrobots.txtでAIクローラーに個別に言及していない——初期状態のまま——であることの反映と考えられます。差が開くのは能動的に設置するもので、llms.txtは27%対10%、構造化データは70%対52%でした。なお医療機関側の構造化データには、予約システムやCMSが既定で出力するものが含まれると考えられ、意図的な整備の率はこの数字より低い可能性があります。

この結果をどう読むか。大多数の医療機関は、AIを「拒否してはいないが、積極的に備えてもいない」状態にあります。一括ブロックの8件は、学習利用を望まないなどの各施設の正当な選択です。重要なのは、外形の整備自体は決して難しくないという点です。robots.txtの確認、構造化データの出力、必要ならllms.txtの設置——これらを整えるだけで、少なくとも「読める状態」という前提条件では、現状の分布の先頭集団に入ります。ただし、本サイトの定点観測が示す通り、読める状態は推薦される条件の入口にすぎません。可読性を整えた上で、AI上で自院がどう扱われているかを観測する——その順序が現実的です。

限界を明記します。本調査は外形の機械判定であり、コンテンツの質やAI検索での実際の扱われ方を測定したものではなく、有無が施設の優劣を示すものでもありません。対象は大阪府の1時点の観測です(全国調査は現在進行中で、完了後に別途報告します)。(2026-07-14追記: 全国調査を公開しました)

この記事のFAQ

Q. 自院が調査対象に入っているか確認できますか?
A. 本調査は匿名の分布のみを公開しており、個別施設の判定結果は公表していません。自院の状態は、robots.txtと構造化データの出力を確認することで、どなたでも同じ観点で点検できます。
Q. AIクローラーをブロックしているとどうなりますか?
A. 検索を発動するタイプのAIから、サイトの内容が参照されにくくなります。ブロックは学習利用を避けたい場合などの正当な選択ですが、AI検索経由の露出とは両立しにくいため、方針として意図的に選ぶことが重要です。
Q. まず何から整備すればよいですか?
A. 外形面では、robots.txtが主要AIクローラーを意図せずブロックしていないかの確認と、構造化データの出力の2点が起点です。その上で、施術・診療内容を語る中身のページが整っているかが、外形より本質的な課題になります。