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言語が変わると、薦められる施設が変わる——病院は残り、クリニックは入れ替わる

日本語・英語・中国語で同じ20問をAIに投げると、3言語で共通して挙がった施設は74。その大半は大学病院・総合病院で、クリニックは19だけだった。言語ごとにしか出ないクリニックは各言語で66〜80。外国人患者に薦められるかどうかは、クリニックほど言語の影響を受ける。

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この記事で分かること

  1. 3言語で共通してAIが挙げる施設と、1言語でしか出ない施設の違い
  2. クリニックが外国語の質問で入れ替わりやすい理由
  3. 同一条件でも候補が変わる揺らぎの大きさと、数字の読み方

結論

AIが3言語すべてで挙げた施設74のうち、大学病院と総合病院が53、クリニックは19だった。言語固有の施設はクリニックが大半で、日本語のみ66、英語のみ80、中国語のみ77。病院は言語をまたいで安定し、クリニックは言語ごとに入れ替わる。外国人患者を受け入れるクリニックは、自院がどの言語で挙がっているかを個別に確かめる必要がある。

前回の記事で、AIは英語や中国語で聞かれても日本語のページを読んで答えている、と書きました。では、読んだ結果として薦める施設は、言語によって同じなのでしょうか。20問×3言語の60問を、Web検索を使う2つのAI——ChatGPT(API経由)とGemini(API経由)——に2回ずつ投げ、計240応答を観察しました。その応答から、挙げられた施設を言語ごとに突き合わせました。

3言語で共通する施設は、病院に偏る

日本語・英語・中国語のいずれでも挙げられた施設は74ありました。内訳は大学病院15、総合病院など38、クリニック19、その他2。言語をまたいで安定して薦められるのは、病院です。

一方、1つの言語でしか挙がらなかった施設は、日本語のみ103、英語のみ124、中国語のみ109。このうちクリニックが日本語66、英語80、中国語77と、いずれも大半を占めました。同じ質問を英語で聞くか中国語で聞くかで、出てくるクリニックの顔ぶれが変わる、ということです。

なぜクリニックは入れ替わるのか

当ラボの解釈は二つです。一つは情報量の差。大学病院や総合病院は、公的なデータベース・学会・自治体の外国人向け案内など、複数の情報源に名前が載っています。AIはどの言語で探しても同じ病院に行き着く。クリニックはそうした外部の言及が少なく、AIが読める材料が公式サイトしかないか、それすら薄い。どの材料に当たるかで、出るクリニックが変わります。

もう一つは、AIが質問の言語に合わせて情報源を探す傾向です。英語で聞かれれば英語の情報源を優先的に探し、見つかった範囲で答える。前回の記事で示したとおり、最終的に読むのは日本語ページが多いのですが、その日本語ページに辿り着く経路は言語ごとに違います。経路が違えば、拾われるクリニックも違います。

数字を読むときの前提——揺らぎ

同じ質問を同じ言語・同じAIに2回投げたとき、少なくとも一方で施設が挙がった110組のうち、挙げられた施設の集合が完全に一致したのは2組(1.8%)でした。集合の重なり具合を示す指標でも平均0.28で、7割以上は入れ替わっています。つまり「英語で聞いたらこのクリニックが出た」という1回の結果は、次に聞けば変わる可能性が高い。本記事で示した共通・固有の件数も、施設名の表記ゆれを機械的に突き合わせた下限値で、個別の施設がどちらに入るかを断定するものではありません。

医療機関は、何を確かめるべきか

自院が外国人患者に薦められているかは、日本語で確かめても分かりません。英語で、中国語で、それぞれ複数回聞いて初めて、自院がどの言語で挙がり、どの言語で消えているかが見えます。そして消えている言語があるなら、その言語の患者がAIに聞いたとき、AIが読める材料が足りていない、ということです。病院と違ってクリニックには外部の言及が少ないぶん、自院の公式サイトの一次情報が、ほぼ唯一の材料になります。

読み方の注意

本記事は20問×3言語・2つのAI・各2回の観測に基づきます。施設の突合は名称の正規化による機械処理で、英字表記や略称の差により共通施設は少なく数えられている可能性があります。施設の種別は名称の規則による付与です。個別の施設名・順位は扱っていません。数値は傾向を示すもので、特定の施設や対策についての判断を保証するものではありません。

Verification Reports

あなたのクリニックは、AIにどう読まれているか

患者が実際に使う質問でAIに繰り返し聞き、あなたのクリニックが候補に挙がるか、サイトのどのページが読まれ、どのページが読まれていないか、代わりにどこが挙がっているかを検証し、改善の論点に整理します。正式提供は準備中ですが、先行して個別のご相談に応じています。

※ 順位向上保証・掲載保証・推薦保証は行いません。観察と改善論点の整理を目的としています。

出典 / 参考資料

  1. 当ラボ台帳 E-127(2026年9月25日測定) — 医療機関AI検索ラボ / 2026-09-25内部
  2. 英語や中国語でAIに聞いても、AIが読んでいるのは日本語のサイトだった — 医療機関AI検索ラボ / 2026-09-25
  3. ChatGPTに聞いてみた、で一喜一憂しない — 医療機関AI検索ラボ / 2026-09-06

この記事のFAQ

Q. 大学病院や総合病院なら、外国語対策は不要ですか
A. 今回の観測では病院は言語をまたいで安定して挙がりましたが、挙がることと、正確に説明されることは別です。受け入れ体制や対応言語が明記されていなければ、説明の中身は保証されません。
Q. 自院が英語で出ないのは、英語ページが無いからですか
A. 一因ではありますが、前回の記事で示したとおりAIは日本語ページも読みます。日本語の一次情報が薄いこと、外部の言及が無いことの方が影響は大きいと考えています。
Q. 1回聞いて出なかったら、対策が必要ですか
A. 1回では判断できません。同一条件で2回聞いて候補の集合が完全に一致したのは、施設が挙がった110組のうち2組だけでした。複数回・複数言語で確かめてから判断してください。