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医療機関のSEOは、どこまで整っていてどこが抜けているか——7,643施設の実測

全国の美容関連クリニック7,643施設の外形調査から、医療機関のSEOで整っている部分(title 88.5%・https 75.0%・sitemap 70.7%)と抜けている部分(構造化データ40.0%・医師の構造化情報0.2%・llms.txt 9.1%)を実測で示す。SEOの蓄積はAI対応の土台の半分を自動的に用意するが、残りは別の作業である。

SEO

この記事で分かること

  1. 医療機関のサイトで、SEOの基本項目がどの程度まで実装されているか(7,643施設の実測)
  2. 実装が薄いのはどこか——構造化データの中身、医師情報、AI向けの案内
  3. SEOで整った部分がAI検索対応にどこまで効き、どこから効かないか

結論

外形的なSEOの基本(title・https・sitemap)は7〜9割の施設で整っている。一方、構造化データの出力は40.0%、そのうち医院として記述しているのは23.1%、医師個人を記述しているのは全体の0.2%にとどまる。SEOに投資してきた施設ほど構造化データを持つが、AI固有の対応はその延長線上に自動では生まれない。

医療機関のSEOは、他業種のSEOと同じではありません。検索エンジンが医療を「生活や健康に大きく関わる領域」として扱い、誰が書いたか・根拠は何かを厳しく見ること。自由診療では医療広告ガイドラインにより、効果の保証や体験談を使った表現ができないこと。この二つの制約の中で、何を整えるべきかが問われます。

では、実際の医療機関のサイトは、どこまで整っているのか。本サイトは2026年7月に、美容外科・美容皮膚科・形成外科・皮膚科のいずれかを標榜し、ウェブサイトのURLが確認できた全国7,643施設を対象に、サイトの外形項目を機械判定しました。サンプリングではなく全数です。対象は美容関連に限られるため、他の診療科にそのまま当てはめることはできませんが、医療機関のサイトがどう作られているかの一つの断面にはなります。

整っている側——基本項目は7〜9割

結果を、実装率の高い順に並べます。titleタグの設定は88.5%。主要AIクローラー12種をすべて許可しているrobots.txtは88.7%。meta descriptionの記述は78.1%。httpsは75.0%。sitemap.xmlの設置は70.7%。robots.txt自体の設置は62.9%です。

つまり、検索エンジンに読まれるための基本項目は、大半の施設で整っています。制作会社に依頼して作られたサイトであれば、これらは納品時点で入っていることが多い項目です。ここは、これから何かを足す場所ではありません。

一つだけ注意があります。URLが公的データベースに登録されている7,643施設のうち、トップページに到達できたのは6,832施設(89.4%)でした。残る811施設(約1割)は、ドメインが失効していたり、ページが存在しなかったりと、サイト自体に到達できません。SEO以前に、「登録されている情報とウェブの実態がずれている」施設が1割あるということです。

抜けている側——構造化データの中身と、医師の情報

実装率が下がるのは、ここからです。

構造化データ(JSON-LD)を出力しているのは3,060施設、40.0%。そして、出力している3,060施設の中身を見ると、多いのはWebSite(64.7%)、BreadcrumbList(56.0%)、Organization(46.5%)——サイトの骨格を記述する型です。医院として記述するMedicalClinicは23.1%、よくある質問を記述するFAQPageは5.5%。そして医師個人を記述するPhysicianは、7,643施設のうち19施設、0.2%でした。

これは、構造化データが「入っている」ことと「医療機関として意味のある内容が入っている」ことが別だ、ということを示しています。多くの構造化データは、テーマやプラグインが自動で出すサイト骨格の記述であり、医院の診療内容や医師の経歴を機械に読める形で書いたものではありません。

AI向けのサイト案内であるllms.txtの設置は9.1%です。これは新しい提案であり、効果も未証明なので、低いこと自体は問題ではありません。ただ、後述するとおり、この項目だけは他と異なる動きをします。

SEOの蓄積は、AI対応の半分を自動で用意する

構造化データを持つ施設は、どんな施設か。本サイトは同じ調査の保存HTML6,590施設分から、SEO投資の痕跡(canonical・OGP・アクセス計測タグ・SEOプラグインの使用痕跡)を抽出し、構造化データとの関係を調べました。SEOプラグインの痕跡がある施設は、ない施設に比べて構造化データを出力している比率がオッズ比27.7倍。canonicalを設定している施設で12.7倍です。構造化データの多くは、「AI対策」としてではなく、SEO施策の一部としてすでに入っていました。

一方、llms.txtはSEO投資と連動していません。アクセス計測を入れている施設ほど設置が少ないという、逆方向の連関(オッズ比0.62)さえ観察されました。SEOをやっていれば自動的に整う部分と、誰も手を付けていない部分が、はっきり分かれています。

自院で確認する順番

以上を踏まえると、医療機関がSEOを見直すときの順番は次のようになります。

第一に、基本項目が入っているかを確認する。title・meta description・https・sitemap・robots.txt。ここが抜けていれば、それは制作時の欠落であり、最初に直す場所です。

第二に、構造化データの中身を確認する。出力されているかではなく、MedicalClinicとして医院が、Physicianとして医師が記述されているか。9割以上の施設が持っていない部分です。

第三に、公式サイトの外を確認する。地図・ポータル・口コミに載っている診療時間・料金・医師名が、公式サイトと一致しているか。AIは公式サイトだけを読むわけではないからです。

この順番は、本サイトのセルフ診断ガイドで手順として整理しています。

読み方の注意

本調査は美容関連クリニックが対象で、他の診療科には直接当てはまりません。判定は各サイトのトップページと関連ファイルの外形に基づく機械判定で、下層ページの実装や、JavaScriptで後から描画される内容は検出できていません。各実装率は下限値です。オッズ比は連関の強さを示すもので、因果を示すものではありません。個別施設の判定結果は公表していません。

Verification Reports

あなたのクリニックは、AIにどう読まれているか

患者が実際に使う質問でAIに繰り返し聞き、あなたのクリニックが候補に挙がるか、サイトのどのページが読まれ、どのページが読まれていないか、代わりにどこが挙がっているかを検証し、改善の論点に整理します。正式提供は準備中ですが、先行して個別のご相談に応じています。

※ 順位向上保証・掲載保証・推薦保証は行いません。観察と改善論点の整理を目的としています。

出典 / 参考資料

  1. 全国7,643施設に広げて確かめた——美容関連クリニックのサイトは、AIに読める状態か — 医療機関AI検索ラボ / 2026-07-14本文の実装率はすべてこの全数調査(E-101)の再集計値
  2. SEOをやっているサイトは、AI対応もしているのか——6,590施設のクロス集計 — 医療機関AI検索ラボ / 2026-07-17オッズ比27.7倍・12.7倍・0.62の出所(E-123)
  3. SEO資産とAI対応は連動しているか——保存HTML6,590施設のクロス集計 — 医療機関AI検索ラボ / 2026-07-17E-123の方法と制限事項の検証記録
  4. 自院がAIにどう見えるか、自分で確かめる方法 — 医療機関AI検索ラボ / 2026-07-14本文「自院で確認する順番」に対応する手順の整理
  5. 「AI対策」の半分は、もうやっている — 医療機関AI検索ラボ / 2026-08-31SEOの蓄積とAI対応の重なりを連載として整理した回

この記事のFAQ

Q. 構造化データを入れれば、AIに紹介されやすくなりますか
A. 本調査は実装率を測ったもので、効果を測定したものではありません。構造化データはAIが医院情報を読み取る材料の一つですが、それだけで候補に入ることを保証するものではありません。
Q. 医師のPhysician記述が0.2%というのは、入れるべきだという意味ですか
A. 実装している施設がほぼ無い、という事実を示したものです。AI検索では医師個人も比較の対象になるため、医師情報を機械に読める形で持つことには意味があると考えていますが、効果の検証はこれからです。
Q. 美容以外のクリニックにも当てはまりますか
A. 調査対象は美容関連に限られるため、数値はそのまま当てはめられません。ただし、基本項目が整い構造化データの中身が薄いという構図は、制作環境が共通している限り、他の診療科でも起こりうると考えています。